政治のことに疎かった私も、省庁関係の仕事をすることもあり、国の中枢を担う財務省の話を知っておこうと思ったわけです。

 

1.内実暴露モノは記者出身著者に限る

学者の書いた本は、理屈っぽくてすぐ飽きるし、「1日で理解できる○○」とか書いてある雑誌だと、当たり障りのないことしか書いていないし…と思ってたのですが、最近、記者出身の著書の本は、論理と感情の間を巧く書いてくれていると気付きました(中には扇情的な内容のものもあるので注意)。この本の著者は日経の記者さん。

 

2.世論と政治家と官僚の絶妙なバランス

財務官僚の人事と、ときの政権を照らし合わせて書かれたこの本からは、政治の人間臭さを読むことができます。その時の首相の感情や官僚の来歴、そんなことで、政治は動いているのか!と、早い話、政治家も官僚もみんな人の子だってことです。話は脱線しますが、今回のインドネシアの中国鉄道受注の話も、ジョコ氏の得票率の低さが招いた政治闘争が背景にあるとか。

時代に寵愛された学者や政治家などがポツポツと現れるのも一興です。竹中平蔵や、最近では、「地方消滅」を著して、「地方創生」へと世論を動かした増田寛也に関する既述もあります。

 

3.崩壊とリバランスの繰り返し

経済が滞ってしまっては、もうあとは、政治の機能ってのは延命措置を施す役割しかないのだなぁと思います(この本は日本のバブル以降の1990年代からについて書いてます)。財政運営の観点からも、政府と省庁間のパワーバランスにおいても、崩壊とリバランスを繰り返していて、何か新しく生まれ変わるといった一種のパラダイムシフトはないように見えます。それが政治の世界なんだなぁと、そしてさらにどんなに仲違いしようと、日本という国にしがみついている私達は呉越同舟なのだと、なんとなくセンチになれます。今回のアベノミクスの黒田バス―カという劇薬も、どうやら効き目が切れてきてしまったようですね。Financial Times にも、日本の金融緩和策を疑問視する記事が。

http://www.ft.com/cms/s/0/4b26258e-7c86-11e5-a1fe-567b37f80b64.html#axzz3q85cCF2W

 

4.官僚離れの東大生

人材の細りは、いまやどこにいっても叫ばれてますが、官僚もまた然りのようです。この本の最後のパートに、ぼやきのように書いてありますが。東大出身以外の官僚の重用も叫ばれているとのこと。

 

ストレスフルな官僚達は、寝る間も惜しんで日本を支えてくれています。精一杯応援しましょう。